逃げた
ギャンブル依存症の私を見捨てることなく、借金の清算を手伝ってくれて、離婚もせずに一緒にいてくれている。そんな嫁さんもまたしても裏切り、また借金をして、最後の勝負と50万を手に競馬場に行くも全て無くなった。そして、私は逃げた。
その日、家族はお出かけをしており、家は空っぽ。そんな家に一度帰った私は、息つく暇もなくカバンや多少の着替えを用意して逃げた。と言っても遠くに行くわけでもなく、電車で1時間くらいの繁華街へあてもなく彷徨いに行っただけ。
昔、一度はこの世からいなくなることも考えた。踏切りの近くで何本か電車を見過ごした。結局そんな勇気もなくその時も家に戻って許してもらったのだが、今度は何というかそんな気さえ起らなかった。
携帯も一度は切った
自傷行為は元気でないとできないとか、躁鬱は躁の時が危ないと言うのはこういうこと何だろう。とにかく、手と足は動いているが、気力が無い。未来を考えることもなく、過去を自省をする訳でもなく、現在を生きている訳でもない。
ただ、彷徨い、泊まるところを探していた。電話は切っておいた。しかし、ここが恥ずかしくも小さな人間の証明になるが、ずっと音信普通になり大事になるのも怖いし、心のどこかで「また許してもらえないだろうか」という甘い考えもあったのだろう、怖くなって携帯の電源を入れてみた。
思ったとおりたくさんの着信がある。掛けなおす勇気はないから、とりあえず、また電源を切ってみる。迷いを払拭するためにひたすら歩く。立ち止まっては電源を入れてみる。これも「存在」を示すためにやっていた自分の弱さゆえの行動だろう。
カミングアウトした
1時間ほど同じことを繰り返して、ラインしてみた。家族のグループに。そして、何故か一足飛びに「ギャンブル依存症である」ことをカミングアウトした。それまでそのことは嫁さんだけが知っており、家族はここでお父さんが「ギャンブル依存症」であったことを知る。
あまりに情けない。今、思いだしても情けない。ここに書くのに時間がかかったのも、これを思い出したくなかったから。依存症であることも情けないが、目の前で言えないことがもっと情けない。今でもそう思う。でも、やっぱり無理だったと思う。
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